ランチを決めるのを後輩に委ねた話
仕事で朝から脳フル稼働でいろいろやっつけたら、昼頃の「ランチ何にしよう定例会議」が始まるまさにそのタイミングで、脳が完全にストを起こした。
自分が食べたいものを決められない、浮かばない、案が出ない、案が出ても判断するのが億劫、そんな状態になった。
普段だったらなんとなくこれ食べたい欲があるのでそれに従うのだが、今回は脳が疲れているせいか食べたいものが特に無い、もとい浮かばない。
うどん・そば・カレーみたいな脳内ブレストをするまでもなく、どうしたことか。
ちなみに弊社は同僚とランチに行くこともあるが、あまり多くはない。仲が悪いわけではなく各自個人プレイなので、ランチも自由気ままに、弁当持参派、コンビニ派、牛丼派、ラーメン派と好き勝手に一人でいく人が多い。
後輩にランチを決めてもらう
そこでクソ先輩は閃いた。
ちょうど手が空いていそうだった後輩に適当に決めてもらうことにしたのだ。
ちなみに彼は納豆巻きとファミチキを同時に食べたり、カップ麺とパックごはんを同時に食べたりというそこそこの偏食ぶりを見せる。常日頃から食には興味が無いといっており、たまにランチに一緒に行くときは「なんでもいいッス」が常套句だ。
そんな後輩に「食べたいもの特に決まってないから俺のランチ代わりに考えてよ」とサラッと頼んでみた。
案の定後輩は固まり「はぁ!?何言ってるんスか」という具合である。無理もない。
が、こっちは正直なんでも良かった。なんなら予想外な組み合わせが来たら、敢えてそれにトライしようという気概もどこかにあったかもしれない。
感覚的にはこの記事に近いのかもしれない。もちろん当時そんなことを言語化して処理できていなかったが。
が、幸い後輩はこのクソ先輩のことを一応の尊敬はしてくれているので、戸惑いながらも快く引き受けてくれた。
サンドイッチ×つくねの出会い
かくして後輩が提案したメニューはサンドイッチとつくねだった。曰く「先輩サンって普段サンドイッチあまり食べないじゃないですか。あとファミマのつくね、旨いんですよ」
うむ。予想通り予想外のメニューだった。まず普通この組み合わせしないよね。彼は変な組み合わせを敢えて選んでいるのだろうか。食い合わせがおかしいという概念はないのだろうか。「絶対に合わない」というわけじゃない温度感が地味に悔しい。というか俺があまり食べないものと自分が食べたいものをとりあえず組み合わせるロジックがシュールだ。なるほどと言える要素がまるでない。両方どっちかならまだしも....。
なんて悶々としたことをかんがえつつも、自分が絶対食べないメニューが来たことに妙に興奮している自分もいた。
彼の言う通り、確かにサンドイッチは全然食べない。何故だろう。理由はわからないが自分の生活にパンはほぼ登場しない。嫌いなわけじゃない。目が向かない。冗談抜きで、たまの運転時にサービスエリアに入っている個洒落たパンコーナーを見て「たまには食うか」ってなるレベル。故にコンビニのサンドイッチは非常にレアな体験となった。
そしてつくね。呑兵衛なのだがつまみレスでぐいぐいいっちゃう、というかほぼ夕飯は食べないので、コンビニ焼き鳥も初なのだ。つまみメニューはつまみとして食うもんだろみたいな妙な先入観があり、日の出ているうちに職場でつくねを食べるという経験は妙に非現実的な感じがした。さきイカでも同じ感覚になっていたかもしれない。
合わないなりに楽しんだ
そんなわけで和と洋、朝用と夜用、肉とそれ意外、ダブル目が向かないものという個人的に超斬新な経験ができた。これも偏に後輩のおかげである。彼のおかげで普段触れない食べ方に出会うことができた。
今後も本当にランチが浮かばないときにはいっそ、判断を投げたほうがラクなのかもしれない。そんなときは大抵、言われて「拒否!食べたくない!」となるものなんて存在しないと思う。というか、思うようにし他方が良い。
案外こういうことで新しい出会い・発見があったりするのかもしれないし。